地平線の向こう側に手を振って

ジャニーズに魅せられジャニーズを愛する地方事務所担の思いと日常

私と田口淳之介

11月24日のあれは何時頃だっただろうか。

ベストアーティストを見ながら食事を取りつつ「ジャニストめちゃくちゃかっこいい」「NEWSの新曲いいね!」とか言っていたあの時間。
KAT-TUNが現れたときも「お揃いの赤い衣装か!かっこいいね!」なんて呑気な感想を抱いていた。

あの瞬間までは。

田口淳之介春に脱退。事務所も退社』

言葉が出なかった。
涙も出なかった。
あまりにも衝撃が強すぎた。

悲鳴と泣き声がTVを通して聴こえてくる。亀梨君が震えている。上田君の目が少しだけ赤いように見えた。中丸君が前を向かない。
田口君だけが、真っ直ぐだった。

「なんで」

やっと口から出た言葉はありきたりな疑問の言葉。

なんで、どうして、なんで、なんで今なの。
10周年が目の前なのに、聖君が抜けてまだ2年なのに、レギュラー番組だってあるのに、KAT-TUNを愛してるはずなのに、アイドルが天職な人のはずなのに。
なんで田口君が辞めるの。

じわじわと「脱退」と「退社」の文字が心に染み込んできた。気が付けば私は声をあげて泣いていた。
あんなに楽しみにしていたベストアーティストを見もしないでただただ泣いていた。
エイトもTOKIOもV6もまるで覚えていない。
LOVEメドレーも朧気にしか見ていない。
番組が決まってからずっと楽しみにしてきた11月24日がこんなことになるなんて考えもしなかった。

「なんで」

私がKAT-TUNを初めて知ったのは中学生の頃。例に漏れず私の学校でもごくせんと仁亀ブームは女子の間の一番の話題だった。そのときからバンギャだった私はその輪には加わらなかったがKAT-TUNというアイドルがいることだけは知っていた。
それから時は流れて再びKAT-TUNを認識したのは聖君の脱退騒動のとき。
「ごめん」と繰り返す4人に胸が苦しくなった。
そして私の目は彼に釘付けになった。
田口淳之介
高身長、長い手足、穏和な顔つき、可愛い笑顔、場を和ませる空気感、美しいダンス、ギャグセンス。
どれをとっても田口君は私の好みドストライクだった。
知れば知るほど、見れば見るほど、田口君は私を魅了した。
田口君を応援したいからラジオも聴いた。田口君を応援したいからレギュラー番組も見た。

まだ2年。たった、2年。

『いつか』コンサートに行きたかった。
『いつか』田口君のうちわを持ちたかった。
『いつか』貴方に逢いたかった。

その『いつか』はもう来ない。

後悔してももう遅い。

3月25日。
今日のMステで生で田口君を見るのは最後になるだろう。
待ちに待った一年ぶりのキスマイMステ出演だが、今日の私にはきっと田口君しか見えないだろう。

好きだよ田口君。
この2年で好きになったよ。
今でも辞めてほしくはないけれど、私はアイドルだったあなたを大切にしていきます。

別れの時間まであと数時間。
別れの日まであと6日。